アナリティクス

2022年9月8日木曜日

Buellに安すぎるインジェクターをつけてみるテスト

Buell XB12用インジェクターと交換用インジェクター Buell XB12 Genuine and Replace injectors

恥ずかしい吸気系整備の中でふと「インジェクターの交換部品は手に入るんだろうか」という疑問が湧いた。なにせ製造終了から12年。シリンダー側にノズルを傾けた1本ずつを2本使うなんて、俺が製造メーカーなら絶対引き受けないクソ面倒臭い客に思える。で入手可能なインジェクターをTwin Motorcyclesに見に行くと

え〜?なにそれ〜?むり〜wwww
軽く死ねます。中古なら安いのがあるけど怖いし、もっと探してたら詐欺サイトにぶち当たるし、どうにかならんもんかと。

困った時のAliExpress


で、探してみたけど、まぁXB用なんて偽物だろうとあるわけないです。ただ色々みていると同じ形で車用が結構あって紫だの水色だの、カマロ/コルベット用なんてのもありました。で、このスペックを見ると875cc、80lbとか300kpaなどとあり、この辺が同じやつなら使えるのではないかと。同じものが売っていなければ似たようなものを作らせれば良いのです。

さらに困った時のAlibaba


で、AliExpressに複数商品を出しているサプライヤーは結構な頻度でAlibabaにいるわけで、AliExpressで見つけたさっきの"DEFUS"というショップ名でAlibabaを探すとやはり見つかるのです。で、メニューのProductsの中にCustomized Injectorとか凄い項目があるので、これを辿って適当に近いと思える商品を探しContact Supplierすると仕様を指定して購入できます。

なので、300kpa時の最大吐出量と穴数だけ指定して注文してみました。インジェクター4つでお値段$36($54送料込み)でした。バカなんでしょうか?そんな値段で売って良いと思っているのでしょうか?純正ではないとはいえ1本3万円が1本1300円(=$9)になってしまいました。
なのでヤフオクとかで本物かどうかも怪しい中古インジェクターとか買ったり、形が似てるから色が似てるからと流用できるか悩んでたり、誰かに流用できそうだよと言われて流用しちゃうような人は"DEFUS"好きなように仕様を指定してみてはいかがでしょうか?
騙されても笑って済ませられる値段です。

純正のインジェクター再確認


ビューエル純正インジェクターフロントバンク用/Buell XB12 Genuine Injector(front)

フロントバンク用

ビューエル純正インジェクターリアバンク用/Buell XB12 Genuine Injector(reat)

リアバンク用

1穴でノズル部が山になっててそれぞれが中央から外側に向くのが特徴。なんて面倒な形状なんだろう...

来たのでつけてみた


ビューエル用4つ穴インジェクター(前後共通)/Four-hole injector for Buell XB12(Common to front and rear)

注文すると10日ほどで作って配送してくれて届く。最低ロットが4つなので4つでごめんと言いながら注文したら5つ来た。基板屋と同じレベルの気安さ。ありがたや。でも色はアイボリーか白って指定したよね?グレーだよねこれ?まぁ全然問題ないけどwww

ビューエル用4つ穴インジェクター(前後共通)/Four-hole injector for Buell XB12(Common to front and rear)

指定通り4つ穴です。方向は合わせられないですが、霧化はよくなる...ハズです。

ビューエル用4つ穴インジェクター(前後共通)/Four-hole injector for Buell XB12(Common to front and rear)

はい、当たり前に着きます。

使って大丈夫なの?


音量注意!

いきなり使うと心配なので、どこまで似ているか確認してみました。回転数(吐出の間隔)と吐出時間割合(吸気工程のN%)でオリジナルとどこまで似ているか程度の確認です。

種類 吐出時間(%) 回転数(rpm) 吐出量(cc/min)


1.6リッター
4気筒用のを
適当に
25 1000 12cc
2500 12cc
6000 12cc
100 1000 41cc
2500 41cc
6000 40cc


(純正フロント)
25 1000 20cc
2500 16cc
6000 8cc
100 1000 75cc
2500 70cc
6000 60cc

アイボリー
(純正リア)
25 1000 20cc
2500 16cc
6000 8cc
100 1000 74cc
2500 70cc
6000 59cc

グレー
(オレオレ仕様)
25 1000 21cc
2500 20cc
6000 12cc
100 1000 77cc
2500 74cc
6000 68cc

濃いめです...はい。
高速開閉時に純正と似たように吐出量が減っていくので傾向は同じと考えました。ベースマップはそのまんまでも大丈夫じゃないでしょうか?あとはAFVに期待です。
とりあえず元々のAFV(115.3%)で100kmほど乗った後にAFV100%にして合計200kmほど乗ってみましたが、なんの問題も感じませんでした。普通に使えます。というかAFVを100%にした後はかなり楽しかったです(良いかどうかはわかりません)。燃費は22km/lから20km/lに落ちましたが途中まで元のAFVの設定ままだったせいかもしれません。もう1タンク走って確認します。あと、そのうちインテークバルブとか確認してみます。
※ : 紫はルノーメガーヌ?用として売られたものです。比較用に適用に安いのを1つだけAliExpressで入手しました。ちゃんと使い物になりませんでした。シリンダー容積400cc用なので当たり前。高速開閉しても変動少ないです。ビューエル純正や今回買ったものはソレノイドが重くなるのかどうしても高速開閉するに従って吐出量が減っています。そういうのを確認するためのものです。なんせインジェクターなんて初めて触るので。

2022年9月7日水曜日

恥ずかしいプラグ交換

吸気系散々いじってから思い出したプラグ。
イリジウムプラグも交換目安は5,000kmですよ。
これの4倍以上使っているヴァカは今すぐ死になさい。

比較


新品と22000km使用後のプラグ比較(Buell XB12S) / Comparison of plugs between new and after 22,000 km of use (Buell XB12S)

一目瞭然というやつでした。
スパークプラグの接地電極側がメチャクチャ摩耗しています。まともに使えるわけがありません。
交換後はとっても元気に走るようになりました。

2022年9月6日火曜日

インテークマニホールドのシール交換

本当の原因はプラグ交換忘れ(22000km無交換)だったのだが、それに気づかず色々やらんでも良いことをやってしまった。

二次エア吸いと決めつけてかかって


エアクリーナーボックスを着脱したりした後、アイドリングせずにストールするようになったのでマニホールドと決めつけてしまった。おかげで勉強になりましたよ。

インテークマニホールドを上から見たところ / Top view of the intake manifold.

マニホールド(と言えば良いのかスロットルボディと言えば良いのか)のシリンダー側付け根にあるブッシュを交換、というか周辺諸々をバラして確認しようと思った。が、どうやって外すのかわからず途方にくれる。フレームを上げるかエンジンを下げるかしてマニホールドを横から見られるようにしないと工具も入らない。

エンジンハンガーのボルトが折れた / エンジンハンガーのボルトが折れた

エンジンを下げるためにエンジンハンガーを外そうとしたらボルトが折れた...
幸いヤフオクで100円からの出品があったので110円で即入札。そのまま110円で買えてしまったのは幸運だったけどホント申し訳ない。

マニホールドを外したところ / Manifold removed

マニホールドの根元のボルトを外してずらせるようにはなったが、上にはまだ引っ張り出せない。アクセルワイヤーをスロットルホルダーから外してようやく上に上がる。

マニホールドを外したところ / Manifold removed

これを外す作業とか仕事でやりたくないレベル。マニホールドの表面は灰色に酸化(?)していて脆い感じになっている。あと燃料経路の金属部品の錆び方が...表面処理どうにかならんかったのかな?

インジェクター用の穴が煤けている / Soot holes for injectors

フロントバンク側のインジェクターを刺す穴はどういうわけか煤けている。バックファイヤが発生してそれが抜けているような気がしないでもない(がインジェクターそのものには煤はついていなかった)

インジェクターの穴 / Injector hole

リアバンク側は大丈夫そうだが、ボディ全体と同様に脆くざらついた表面。

非常に脆くなっているインジェクターの穴 / Very brittle injector holes

いやホントに脆いのは勘弁

インジェクターは汚れていない / Injectors are clean

インジェクターはとてもきれい。ノズルがシリンダー側に傾くようにできているので別の色で見分けられるようになっている。

組み直す前に


ガンコートを錆止めがわりに使う / Use GUN-KOTE instead of rust inhibitor

次に手を出すのがいつになるかわからないので金属のみの部品はガンコートの刑。小さい部品に限られるが電気鍋がとても便利(本当はリフロー用、でもなく本当は料理用)

二液ウレタンで塗装されたマニホールド / Manifold painted with two-component urethane paint.

インテークマニホールドは鍋に入れるとスロットルバルブを支えるカラーが溶けるので耐ガソリン二液ウレタンのスプレーで塗装。

太いOリングを使用 / Thick O-rings are used

フロント側マニホールドの煤の出方が心配なのとルーターのブラシで表面のアルミを剥ぎ取ってしまったので、対策として線径4mmのフッ素ゴムOリングを入手。おそらく純正は3.7mmぐらいのニトリルゴム。

インテークマニホールド / intake manifold

仮組みでこんな感じ

組み付ける前に


アクセルワイヤーから流れ出る錆び / Rust flowing from gas accel wires

アクセルワイヤからサビの泥をだす。出るまでほっとくな、俺。

ダメージを受けたケーブル / Damaged cable

こんなんなってるワイヤがあるのでヒシチューブ被せて保護。

被覆がないアースケーブル / grounding cable without sheath

フレームからエンジンにアースを渡すケーブルもなんで剥き出しなのか理解できないのでヒシチューブで保護。

組み付け


インテークマニホールド / intake manifold

とりあえずマニホールドをいれて

インテークマニホールド / intake manifold

フランジとシールを滑り込ませる。

インテークマニホールド / intake manifold

後は燃料ホースやらインジェクターのハーネスやらつけておしまい。


ストールしないようにはなったもののアイドリングがめっちゃ不安定なまま。他に原因はと考えていた時にプラグのことをようやく思い出したわけです。

2022年9月5日月曜日

バッテリーの長期維持

ここで長期乗らない時のバッテリー上がり対策としてスイッチを作ったけど、別のアイデアが涌いた。

XB12Sのお腹はもういっぱい


ドライブレコーダー / drive recorder
ドライブレコーダー / drive recorder

昨今ドライブ動画を上げたり上げられたりする世の中で、自分もどう巻き込まれるかわからんのでドライブレコーダーなるものを導入してみた。

バッテリー切断スイッチ / Battery disconnect switch
バッテリー切断スイッチ / Battery disconnect switch

けど、前に作ったスイッチがすごく邪魔になってしまった。


新しいスイッチの方式


方法は至極単純で、バッテリーのマイナス端子そのものを絶縁してしまうだけ。使うものは以下の通り。

  1. ステンレスつまみ
  2. ネオジム磁石
  3. 銅ワッシャー(ネオジム磁石の内径に合わせたものと、それより少し大きいもの)
  4. プラスチックスペーサー(銅ワッシャーの内径に合わせて)
バッテリー切断スイッチ / Battery disconnect switch

こんなふうにネオジム磁石の力で銅ワッシャー(をハンダで貼り付けた塊)を引き剥がすだけ。普通の磁石だとバッテリーハーネスの硬さでくっつきそうなのでネオジムを使う。ただオフでこれをやったら砂鉄がたくさん集まりそう。

バッテリー切断スイッチ / Battery disconnect switch

後はバッテリー接続するだけ。バッテリー端子コロコロでちょっと苦労するけど。

省スペースでより確実。
前は銅板をネオジムで無理やり吸着させていただけだし。

どっか¥1,000ぐらいで製品化してくれないかな?買うよ?

2022年9月4日日曜日

ブレーキディスク交換

ブレーキを握るとココココという振動がレバーに伝わってくる。あからさまに速度に連動しているのでブレーキディスクを外してみるとこれまたヤバいことに。

ビューエル ブレーキディスク / Buell Brake Disc

純正高いのでBreakingのウェーブ。やや掃除しにくそうな形なのであまり好きではない。

ビューエル ブレーキディスク / Buell Brake Disc

ココココの原因。そりゃ出るわ。

ビューエル ブレーキディスク / Buell Brake Disc

つけてみるとそんな違和感でもなかった。

ビューエル ブレーキディスク / Buell Brake Disc

後は

ビューエル ブレーキディスク / Buell Brake Disc

全部の面がでるまで慣らしておしまい

2022年9月3日土曜日

BuellToothへの恨み

ECMDroidを使ってみたくてBuellToothRevisionMotoから買ってみたけど、まぁまぁ酷い製品だった。

BuellTooth


BuellToothはショートモードで壊れるのでヒューズをたくさん一緒に持っていってください。 / BuellTooth will break in short mode, so please take plenty of fuses with you.

RevisionMotoから購入ですよ。
カッコいいステッカー付きですよ。

BuellToothはショートモードで壊れるのでヒューズをたくさん一緒に持っていってください。 / BuellTooth will break in short mode, so please take plenty of fuses with you.

ECMDroidでも通信ばっちりですよ。買った時はPC繋がないでTPSリセットできて大喜びだったんだけどね。

ヒューズ吹っ飛び


ターンパイクを駆け上がってるといきなりエンジンが止まった。というか電装が全部ダメになった。

BuellToothはショートモードで壊れるのでヒューズをたくさん一緒に持っていってください。 / BuellTooth will break in short mode, so please take plenty of fuses with you.

ヒューズを確認すると案の定切れていて、ヒューズを変えて試すと一瞬で切れたので何かがショートしている。いつもはBuellToothをつけずに走っていたけど、ロギングを試してみたかったのでその時はつけていた。48ドルもしたので壊れていないことを祈ったが、BuellToothを外してヒューズを交換してみると普通に動いた。

BuellToothに代わるもの


色々あるけど、結局9600bpsのシリアル通信を中継しているだけなので、勉強がてらに作ってみることにした。が、Bluetoothモジュールが(技適を通っているものは)結構なお値段するので(DSDTechのHC-06とか使っちゃダメですよ?めっちゃ安くて設定も簡単で、Bluetooth初心者にも使いやすいとか、設定アプリがとてもしっかりしてても技適通ってませんよ?捕まっちゃいますよ?通報されますよ?電源入れちゃダメですよ?とりあえず技適死ね)、ESP32とArduinoIDEのESP32ExampleにあるESP32-Serial-Bridgeでどうにかしてみることにした。

ESP32での試作


ESP32 Bluetoothシリアルブリッジを介したBuellとECMDroidの接続 / Buell to ECMDroid via ESP32 Bluetooth Serial Bridge

開発ボードからブレッドボード上でTTLレベル変換噛ませてECUへのアダプタに接続。

ESP32 Bluetoothシリアルブリッジを介したBuellとECMDroidの接続 / Buell to ECMDroid via ESP32 Bluetooth Serial Bridge

ちゃちゃーん(Win95世代)

ESP32 Bluetoothシリアルブリッジを介したBuellとECMDroidの接続 / Buell to ECMDroid via ESP32 Bluetooth Serial Bridge

読み取り完了

ESP32 Bluetoothシリアルブリッジを介したBuellとECMDroidの接続 / Buell to ECMDroid via ESP32 Bluetooth Serial Bridge

ライブデータもOK(当たり前)

搭載用にまともなのをつくる


ESP32 Bluetoothシリアルブリッジを介したBuellとECMDroidの接続 / Buell to ECMDroid via ESP32 Bluetooth Serial Bridge
ESP32 Bluetoothシリアルブリッジを介したBuellとECMDroidの接続 / Buell to ECMDroid via ESP32 Bluetooth Serial Bridge

走行中にブレッドボード乗せてロギングするのは流石にしたくないので、もうちょっとまともなものを作ってみた。

で、これで試走してみたところ見事に壊れました。LXDC55の電圧範囲がMAX14.0Vなのでさもありなんと思っていたのですが、やっぱりLXDC55が壊れて(ただしヒューズが飛ぶようなことはない)、秋月電子のBP5293-33にしたところ問題なく動作。自分の使うものなのでこれでも良いけど、搭載の仕方がイマイチになってしまったので再度検討。

搭載用にもうちょっとまともなのをつくる


AliExpressで降圧コンバータを探すと結構出てくる。

ESP32 Bluetoothシリアルブリッジを介したBuellとECMDroidの接続 / Buell to ECMDroid via ESP32 Bluetooth Serial Bridge

3A必要とは思えないけど、とりあえず強そうだったので使ってみたいと思い再度設計してみたら基板スペースに余裕があったのでSDカードをつけてみた。目的などない(いやホントはマップを保存して呼び出すとかできたらいいなと。アプリ作る気力ないなと。)。
結局1Aの3端子レギュレータ互換のもので普通に壊れず動作するようになったが、1A+既存の設計だと若干基板からはみ出る。新基板だと3Aのインダクタがかっこいいのでこっちをつけっぱなし。
ESP32シリアルブリッジそのままだとファームの書き換えができないので、そこはOTA(AdHoc)でWiFi経由で書き換え可能に改造している。

ESP32 Bluetoothシリアルブリッジを介したBuellとECMDroidの接続 / Buell to ECMDroid via ESP32 Bluetooth Serial Bridge

基板なら腐るほどあるんや。DT06-4Sのコネクタも余っとるんや。
誰かいらん?¥3,000ぐらいでお好きなデバイス名つけて提供可能です。

2022年9月2日金曜日

油圧クラッチ製作記録(2)

ここで油圧クラッチにしたものの、ストロークに問題があるみたいでここで大事故になった。ので、ストロークを変更してみるために16φに変更。

アデリン危険だよアデリン


一回バラして掃除(+α)する必要があるってだけだけど。

アデリン製Buell用油圧クラッチマスター / Hydraulic clutch master for Buell by Adelin

買った後は

アデリン製Buell用油圧クラッチマスター / Hydraulic clutch master for Buell by Adelin

とりあえずバラして

アデリン製Buell用油圧クラッチマスター / Hydraulic clutch master for Buell by Adelin

金属粉出てこなくなるまで洗浄して、元のシリコン(?)グリスを綺麗にしてブレーキフルード塗布して

アデリン製Buell用油圧クラッチマスター / Hydraulic clutch master for Buell by Adelin

バリがあったらそれも取り除いて

アデリン製Buell用油圧クラッチマスター / Hydraulic clutch master for Buell by Adelin

ピストンとロッドの接触面には何にも塗られていないので、ウレアでもモリブデンでも好きなグリスを塗布して組み直す。
ほんと買ったまま組み付けて使うのはヤバい。PX-1はこんな感じだけど、PX-7は(ブレーキ用に購入)拍子抜けするほど綺麗だったんだよな。

で、再度クラッチの調整して完了。